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2024年度 全国主要レジャー施設 年間入込みデータ

2024年度全国主要レジャー施設 年間入込みデータ

 

国内の売上高は過去最高
入込み増の要因は「イベント」「インバウンド」

 

 「エンターテインメントビジネス」編集部では、20254月~5月にかけて、全国の主要な遊園地・テーマパークを対象に「年間入込み数」に関するアンケート調査を実施。全国28の施設より回答をいただいた。

 
 
 経済産業省が20253月に発表した「特定サービス産業動態統計調査(確報)」によると、日本国内の主要な遊園地・テーマパークにおける24年の売上高の合計が8,9261,800万円(前年比105.7%)となり、調査開始以来過去最高を記録した(図表1)。なお、同調査における24年の入場者数の合計は7,3392,989人(前年比101.4%)で、こちらもコロナ禍以降着実に増加しているが、7,900万人台を記録したコロナ禍直前の水準には回復していない。
 
 このニュースを報じた日本経済新聞では、入場者数よりも売上高のほうが顕著に増加している要因として、東京ディズニーリゾート、ユニバーサルジャパンという2大パークの入場料が1万円を超え、その他の施設もここ12年の間に料金値上げに踏み切ったことをあげている。また、その背景に「インバウンドの増加」「新エリア新アトラクションの好調」があるとも分析している。
 
 一方、本誌が今回実施した「2024年度全国主要レジャー施設 年間入込みデータ」のアンケート調査結果では、24年度の入込み数について回答をいただいた25施設中、前年度比で増加したのが16施設にのぼったが、うち13施設は10%以下の増加幅に収まっている。また、前年比で減少したのは8施設、増減なしが1施設あった。
 
 「入込み増減の要因」をみると、7月、8月の猛暑や台風などの天候不順、宮崎県日向灘地震に端を発する大地震への注意喚起の影響をあげた施設が目立った。先の「特定サービス産業動態統計調査」における月別入場者数の推移をみても、前年同月比で7月は96.8%8月は93.3%といずれもマイナスになっており、最大の書き入れ時である夏期の集客に多くの施設が苦戦したことが伺える。(図表2)。
 
 23年度と比較して入込みが大きく増加した期間は」の質問に対しても、「夏休み」と回答したのは8施設にとどまっている。最も多かった回答は「秋の行楽シーズン」13施設、次いで「春休み」10施設となった。また、「24年度に実施した集客施策のなかで、効果が大きかった施策は」の質問に対する回答では、「イベントの強化」が17施設で最も多く、2位の「新アトラクション導入」「広告宣伝の強化」(ともに7施設)を大きく引き離している。
 
 今回の調査ではじめて質問項目に加えた「25年ゴールデンウィークの集客施策」の質問に対しても、「イベント強化」が12施設で最も多く、次いで「営業時間の前倒し・延長」8施設、「夜間営業の強化」3施設と続いている。
 
 各施設が注力するイベント施策の具体的な内容については、それぞれ特徴や売りを活かしたオリジナルイベントのほか、コロナ禍前から活発になっていた人気IP
とのコラボイベントが目立っている。
 
 「インバウンド客に向けた対応・対策」の質問に対しては、「オフィシャルWebサイトの多言語化」11施設、「園内、館内表示や案内システム等の多言語化」10施設、「キャッシュレス化の推進」8施設、「バイリンガルスタッフの採用・配置」3施設となった。2024年の訪日外国人数は過去最高を記録し、25年もその傾向は継続している。国内の遊園地・テーマパークにおいても、富裕層を中心としたインバウンド対応は集客増、売上げ増における大きなポイントとなりうる。それらを踏まえたインバウンド対応・対策では、各施設ともマンパワーの充実よりも、各種表示、案内、入場システムの多言語化など、システムや設備面の充実に注力しているようだ。